院長エッセイ集 気ままに、あるがままに 本文へジャンプ


ああ我が多趣味人生〜 前半?

 

私は多趣味な人である。他人は「いろんなご趣味がおありで、毎日が楽しいでしょうねえ、おほほほ、、、。」と言う。細君は「また、こんなもの買ってきて、どうせすぐに飽きちゃうのに、、。」とため息をつく。私の趣味、それは春眠のうたかたの夢、むせかえる夏草にひっそりと明滅する蛍火、晩秋の陽光を透かし見るもみじ葉の彩り、さては小春日和の濡れ縁のぬくもり。諸行無常の理に逆らわず、しかし、その時々で我が人生にほのかな喜びと至福の安らぎを与えてくれる宝物、それが私の趣味というもの。そんな私の趣味観は未だに認知してはもらえない。もっとも、いったん忘れ去られたマイブームがある日突然再燃し、インターネットで注文した品物が(注文した本人もびっくりするぐらい)次々と送られてきたりするので、細君は心情的には理解しても、経済的にはとうてい理解できないであろうことは容易に想像できる。

そんな私の趣味であるので、数は多くても一芸に秀でる様なものはもちろんなく、趣味人の定番、蘊蓄もここで披露するほどのものは持ち合わせていない(酔うと、細君には鼻の穴をふくらませて、よく蘊蓄をたれるらしい)。したがってこのコラムではひとつの趣味を掘り下げて紹介することはせず(したくてもできない)。たくさんの趣味を表面的になぞりながら、私の趣味の傾向について自己分析し、その対策(衝動買いによる散財を未然に防ぐこと、細君も泣いて喜ぶだろう)について考えてみたい。

少年の夢継続型1

ようするにオモチャである。わたしはオモチャが好きなのである。特にラジコン戦卓、ラジコン自動車などを、長男(十才)に買い与えるように装いながら楽しんでいる。たいていこのようなオモチャは競争したり対戦したりすると燃えるので、二台まとめて買うことになる。自分でコースを設計・製作するなどかなりマニァックであるが、私より先に長男が飽きてしまい、長続きはしないが、新しいモデルがでるとついつい大人買いしてしまう。空を飛ぶオモチャも好きで、飛行船や飛行機のラジコン、スポーツカイトも買ったが、これは飛ばす場所に行くまでが大変で長続きしないが、いまでも時々ふと、大空の夢を捨てきれず、胸がうずく。手軽に飛ばせるものが見つかれば、また購入するだろう(細君には内緒だが、実はひとつ目を付けているものがある)

 少年の夢継続型2

これもオモチャではあるがやや高尚で大人の趣味としての風格を持つ。まずミニカー収集。車がもともと好きで世界の名卓を中心にコレクション。同様に戦闘機のミニチュアも収集。陳列場所に苦慮し、最近は収集欲が低下傾向にある。先にラジコン戦卓、今回戦闘機モデルと書いたので、危険人物と見なされがちだが、私は右でも左でもなく、きわめてリベラルな非暴力主義です、念のため。さて自分でもちょっと自慢なのが鉄道模型。アメリカ遊学中はNゲージ(線路幅9mm)にはまりクリスマスツリーの周りにジオラマレイアウトを組んで走らせていたが、十年の空白期間を経て、二年前からZゲージ(線路幅6.5mm)で復活。現在はドイツメルクリン社のロコモーティブ三台、客車、貨車等十数台を有する。レイアウトはアタッシュケースタイプのみであるが、自分で家屋に豆球を組み込んだり、街灯をつけたり、木を自作し植林したりして、かなりグレードアップしている。一見の価値あり。今後、同時に三台走らせることができるような、より大きなレイアウトを画策中。

 的当てゲームのようなもの

二年前からダーツが趣昧の仲間入り。現在エレクトロニックダーツボード(ソフトチップ用)と本格的ブリストル()ダーツボードを所有。ソフトチップ、ハードチップともユニコーン製ジョン・ローモデル(タングステン90)でソフトが18g、ハードが21gのものを所有している。職場で仲間を募ってピザを食べながらダーツをするピッツアン・ダーツの活動を計画中。次に少しキワモノめいた吹き矢。スポーツ吹き矢というかなり本格的なものだが、ダーツの方がおもしろく、現在は下火に。そして、これは少年の夢継続型に含めるべきかもしれないが、ソフトエアガン。この趣味の歴史はかなり古く、大学時代にさかのぼる(二十年以上前か)。一時忘れられていた趣味が、引っ越しの際の荷物の中に見つけたS&W0.38マグナムリボルバーで復活。温厚な非暴力主義者としての良心と破壊・暴力の象徴である銃への嗜好という自己矛盾にさいなまれながらも、コンバットマガジンやGUN誌をツタヤで立ち読みする日々。二年前に購入のマルイ・グロッグ26と景近購入したベレッタエリート・1Aがお気に入り。鳴り物入りで登場した二十世紀最高の名銃チェスカ・ズブロジョブカ1stは、質感とブルーイングの色合いが不満でブローバックも弱め。買って少し後悔。インターネットショッピングは手に取って吟味できないのでやはり難しい。

さてここまで書いてきて、私の趣味の半分も終了していない。全部書きたかったが紙面がつきた。できれば今回を前半とし、来月を後半として執筆したいのだがどうだろうか?マニアックすぎて読者にはあまり面白くないかもしれないが、多趣味人生・光と陰の自己分析を途中で放棄することはできない。皆様も乗りかかった船ということで、つきあって頂きたい。幸い私は本広報誌の編集委員なので、近日催される編集委員会で、そんなわがままが可能かどうか議題に乗せる予定である。無理が通れば来月また同じコラムでお会いしましよう。

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